症状別治療案内
原因不明の体調不良
(からだの不調感が強いが、精神科や心療内科以外の専門科で調べても明らかな異常がなく、からだの症状に合わせたおくすりを飲んでもなかなか改善しない場合など)
⇒まず症状の特徴や経緯を確認して、症状の原因を考えます。原因が改善すれば症状も改善する可能性が高いですが、原因の改善が難しい場合は、補助的におくすりを使用します。
ご希望に応じて体質改善を目的とした漢方薬を使用する場合もあります。
不眠・過眠・昼夜逆転
(眠れない、眠りすぎる、睡眠のリズムが悪くなる、など)
⇒まず、睡眠の状態について確認して、全身の状態との関連や、特殊な睡眠の異常ではないかを調べます。身体の異常が原因と考えられる場合や、特殊な睡眠の異常が疑われる場合は、
必要に応じて睡眠専門の医療機関で検査を受けることができるようにご紹介します。ストレス性の不眠などで睡眠薬などのおくすりが必要な場合は、過剰にならないように補助的に使用します。
ものわすれ
(最近の事でも思い出せない、時間や場所や親しい人が分からなくなる、以前は普通にできていたことができなくなる、など)
⇒まず、全身の状態と、実際の生活の中で起こっている問題の内容を確認します。物忘れの程度や生活上での変化を確認します。MRIによる脳の画像検査なども行い、現時点での認知症の有無やその程度、認知症のタイプを確認します。
介護が必要と判断される方には、介護サービス利用に必要な診断書などを作成します。認知症進行予防のおくすりの適応となる場合は、それらについてご提案します。認知症に関連する興奮や不眠などに対しても、
最小限のお薬を使用することがあります。
不安・パニック・恐怖
(原因がわからない不安が続く場合や、その不安が強くなってパニック状態になる場合。特定の物事に対する強い恐怖感、など)
⇒まず、どのような状況と関連して症状が出現するようになったのか確認します。症状の出る仕組みや対処法を理解することにより、次第に症状が出にくくなることが期待できます。不安が強く生活に支障をきたす場合は、
不安感を低下させるおくすりを併用しますが、症状が少なくなってくれば、それに応じておくすりを減らしていきます。
抑うつ気分・意欲低下
(気分が沈む、やる気が出ない)
⇒まず、その気分や意欲の低下が、特定の状況と関連しているかどうかを伺い、状況と強い関連がある場合は、その状況を改善する方法を考えてみます。きびしい状況にあって気持ちが落ち込むことは誰しも起こりうることですが、
それにともなって、眠れなくなる、食欲がなくなる、体調が悪くなるなど、二次的な症状が起こっている場合は、それらに対して、症状を緩和するおくすりを処方することもあります。からだの病気や、
飲んでいるおくすりと関連すると考えられる場合は、体の病気の治療や飲んでいるおくすりの調整を提案します。原因不明で症状が持続する場合は、抗うつ薬などのおくすりによる治療を考えます。
幻覚・妄想
(実際にはないものや音を感じる、ありえないようなことを確信してしまう、自分の考えが外部から操作されている感じがする、など)
⇒まず、その感覚や確信の感じ方や内容、そこまでに至った経過を確認します。体の状態や飲んでいるおくすりが影響している場合は、その調整をします。原因が不明で持続する場合は、幻覚や妄想に効果があるおくすりを使用することがあります。
依存症
(お酒を飲みすぎる、タバコがやめられない、など)
⇒まず、その内容と、そこに至った経緯を確認します。本人の意思を確認の上、お酒やタバコの依存については、補助薬を使用しながらの治療を行うことがあります。依存症の当事者や家族のグループに参加する意思のある方には、参加可能なグループを紹介します。