2025年3月20日
誰にミック・ジャガーを笑うことができるだろう?

村上春樹著の「走ることについて語るときに僕の語ること」は、彼が自身の長年のランニング経験を軸に、作家としての人生、創作の秘密、そして彼自身の内面を率直に語った回想録です。
私自身はランナーではないのですが、この本の第一章の「誰にミック・ジャガーを笑うことができるだろう?」という部分が好きです。村上氏が50代後半になって、「若いころに五十台の自分を想像することは、死後の世界を想像するのと同じくらい困難なことだった」と記されています。
ミック・ジャガーが若いころに、「四十五になって『サティスファクション』をまだ歌っているくらいなら死んだほうがましだ」と豪語したエピソードを引用して、誰も若いころに、老いてゆく自分をリアルに想像することは難しいし、実際に年老いてみなければ、わからないことばかりだということが、村上春樹節で存分に表現されています。
昨今特に気力や体力が衰えてくるのを実感している私も、ミック・ジャガーを笑うことなど到底できません。せめて、通勤のウォーキングでも再開したいと思っています。